鳥の詩
道端に一羽のカラスが仰向けで倒れていた。
「あーしんでるなー。」
と思ってみると、目が
「パチパチ」
って瞬きしている。
でももう、目は白くなっていて、
うちの愛犬が死ぬときと同じだったので、
「あー。死ぬんだなー。」
と思った。せめて人気の無いところに
おいてあげようと思って、
手を伸ばした瞬間
上からヒッチコックの映画のように
カラスが鳴きわめきながら襲ってきた!
「おりゃー、俺のダチにさわるんじゃねぇ
ギャース!」
って言ってるみたいだった。
カラスにも熱い友情があることに感動しつつ、
そういえば、私が何かしたところで、
彼の命を延ばすことはできないし、
きついときに人間にさわられて恐怖を
与えるほうがひどい行為に思えて、
ちょっと罪悪感でいっぱいになった。
その後、がっくりしながら道をあるいていくと、
鳩とスズメの中間ぐらいの大きさの、
見たこと無い鳥が、先生の後ろを
カルガモみたいについてくるのだ。
びびった。ファンタジーかい?
野生の鳥が道路の真ん中を歩いてるだけでも
おかしいのに、人について歩いてるなんて。
自転車に乗った学生に振り返られた。
そりゃそうだろう。
先生はさっきの件と「鳥つながり」
なので何か意味があるような気がして、
恐怖だった。
鳥よ鳥よ鳥たちよー
と杉田かおるばりに歌いたい気分である。
鳥はその気持ちを察してか、
曲がり角を曲がると飛んでった。
なんなんなんー!